自己破産します。任意売却と競売のどちらが有利でしょうか?
私は、小さいながらも社員10数名をかかえる会社の経営者です。 数年前に、横浜市内の戸建住宅を8,000万円で購入しました。 その頃、マスコミで特集されていたネット・デイトレーディングに、のめり込んでいました。
そして、気づいたら会社の業績は悪化し、社員達に給料が払えない状態となっていました。 そんな状況なので、社員が一人辞め、また一人辞め、現在は私と一人の社員しか残っていません。
残ってくれた社員と自分の家族の生活費のために、消費者金融でお金を借りることに。 あっという間に「借りては返す」の自転車操業になってしまいました。
そして、とうとう自転車操業も不可能なところまで行き着き、自己破産をすることにしました。 現在、弁護士と自己破産を進めていますが、先生から自宅を "任意売却" か "競売" で処分してくださいと言われました。
私は、小さいながらも社員10数名をかかえる会社の経営者です。 数年前に、横浜市内の戸建住宅を8,000万円で購入しました。 その頃、マスコミで特集されていたネット・デイトレーディングに、のめり込んでいました。
そして、気づいたら会社の業績は悪化し、社員達に給料が払えない状態となっていました。 そんな状況なので、社員が一人辞め、また一人辞め、現在は私と一人の社員しか残っていません。
残ってくれた社員と自分の家族の生活費のために、消費者金融でお金を借りることに。 あっという間に「借りては返す」の自転車操業になってしまいました。
そして、とうとう自転車操業も不可能なところまで行き着き、自己破産をすることにしました。 現在、弁護士と自己破産を進めていますが、先生から自宅を "任意売却" か "競売" で処分してくださいと言われました。
自己破産前の任意売却の意義
自己破産を申立てして免責となれば、債務の返済請求がされなくなるのだから、競売でも任意売却でもどちらでもよく、わざわざ手間のかかる事をする意味がないという意見もあります。
しかし、弁護士に依頼をして自己破産の手続きをとった場合、その報酬として20 ~ 50万円程度が必要です。 仮に、夫婦2人で自己破産をすると、当然報酬も2倍となってしまいます。 お金がなく経済的に窮している状況の中で、この費用は大きな出費となります。
そこで自己破産をする前に、任意売却をする意味があります。 自己破産には、同時破産と管財事件とがあります。 同時破産は、破産者に資産がなく資産の処分に関する費用が必要でない場合に選択ができます。 この場合は、自分で手続きをすれば、3万円程度の費用となります。 ただし、免責不許可事由に該当する恐れがあるような場合には、小額管財事件となることがあります。
管財事件は、破産者に資産がある場合となり、管財人の費用として最低50万円(東京地裁の小額管財事件では20万円)の予納金が必要となります。 住宅ローンがある場合すなわち不動産を所有している場合には、原則管財事件となります。
同時破産であれば、自分で手続きを進めることも可能ですが、管財事件では難しくなります。 破産手続き前に自宅を売却(処分)することで、資産がなくなり、同時破産とすることが出来るようになります。 破産手続きにかかる費用が、3万円と50万円では負担の差が大きく異なります。 この場合、弁護士へ依頼した時の報酬は別途必要となります。
自己破産の手続きをする前に、任意売却で自宅を売却することで、管財人の資産の処分が不要となり、破産手続きが簡略化されており、破産免責決定までの期間も大きく短縮されます。
小額管財事件 - 同時破産にはならないが、資産が少ない場合に安い費用で、破産手続きをスピーディーに終わらせると言うものである。 この場合の予納金は一律20万円であるが、弁護士の介入が条件となる。 現在時点では、東京、横浜などの地方裁判所に限定です。
自己破産の費用
弁護士や司法書士に依頼をする場合の自己破産の費用
2万円 ~ 3万円の実費(予納金:約2万円 収入印紙:1,500円 郵便切手:約5,000円)
+
着手金(20万円 ~ 50万円)
+
成功報酬(免責金額の5%など)
(**) 住宅ローン特例のあるなしによって、金額が異なるケースもあります。
(**) 破産・免責手続き一括で40万円など、セット料金になっているケースもあります。
(**) 一般的に費用の総額は、弁護士の方が司法書士よりは高いです。
自己破産は、債務の返済が不可能なために行うものです。 返そうにも返すだけの資金がないという事から、場合によっては自己破産をするための費用でさえも用意できないケースも十分に考えられます。
このように、どうしても自己破産をするための費用を用意できない場合には、財団法人法律扶助協会が費用の一部を扶助してくれます。 ただし、この制度を利用する場合でも予納金の約2万円は自分で負担する必要があります。
破産管財人は債権者側の代理人
破産管財人は、債務者側とは利害が相反する立場です。 しばしば誤解される方がおりますが、破産管財人は自己破産をする方の味方ではありません。 従って、管財人は自己破産をする方に有利になるようには動いてはくれません。
自己破産と保証人
自己破産すると、影響を受けるのは債務者本人だけとは限りません! 債務者本人による返済が不可能となり自己破産をした場合には、免責を受けることで債務の返済を免れることになります。
しかし、債務者本人が免責を受け、督促が来なくなる代わりに、保証人がその債務を返済しなくてはならなくなるのです。 債務者が自己破産をすると、保証人へは一括で債務の督促が行くことになります。
多くのケースでは、保証人の方も分割返済が困難になり、債務者と同様に自己破産を余儀なくされています。

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